私がHRのコンサルタントとして大切にしていることは、クライアント(組織)の自主性や当事者意識を削がない、ということです。
「正解」を創り出すというより、クライアントが実践を通じて検証しようと自ら思って頂けるような筋の良い「仮説」を共に創り上げたい、という想いです。
その為には、変幻自在に自らの“Be”や“Do”を変えられるということが大切だと考えます。私がお酒好きということもあり、私のスタイルを「酔拳」と称してくれる方もいます。
立場上、自分の考えや知見、他社の事例、業界の流行・トレンドなど求められることが多々あります。
それらがクライアントの思考を進める材料として適切と思えば喜んで提供しますが、そうでなければ敢えて「私も分からないので、一緒に考えましょう」と持ち掛けます。
「今のままではダメ」「スピード感を持った変革が必要」と共感を求められることが多々あります。それが発言者ご自身のことも含めた半身の問題意識であれば加勢しますが、単なる現実逃避・英雄待望論なのであれば火勢を削ぐ関わり方をします。
「未来志向で」「非連続なやり方で」というソリューションを求められることが多々あります。それがクリエイティブ・テンションとなる現場もあれば、エモーショナル・テンションとなる現場もあります。結果、同じソリューションでも、伝え方や、砕き方や、関与の度合いは常に変わります。
このようにクリアカットでエッジの利いたコンサルティングはできませんが、クライアント共に組織という得体のしれない現象に向き合い、時にはまみれるために、気の利いたユーモアと少しのアイロニー、そして勇気をもたらすお酒を大切にプロジェクトに向き合って行きます。