CASE #1 / 株式会社 土屋鞄製造所
成長の過程で見えてきた、
もっとよくできるという想い
Profile of 株式会社土屋鞄製造所
-
- 吉田 倉康
人事本部 人事労務課
-
- 神原 麗子
人事本部 人事労務課
-
- 中村 真理
人事本部 人事労務課
Profile of 株式会社BRICOLEUR
-
- 水田 道男
ブリコルール 取締役
-
- 田中 康之
ブリコルール パートナー
- 社員みんなが土屋鞄製造所で働くことに
誇りを持っている。
だからこそ、見えない部分も
しっかり見えるようにしたいという
想いで
プロジェクトは始まった。
-
吉田
- 今回のプロジェクトは土屋鞄が成長し続けるために、
これまで培ってきた良い文化は残しつつ、企業として大きくなる過程で曖昧になってきた部分を改善したいというのが始まりだったんです。
-
田中
- 始まりはそうでしたね。
曖昧になってきた部分というのはどういったところでしたか?
-
吉田
- 土屋鞄の文化としてオープンなところが特徴的なのですが、
社内制度の中で曖昧な部分が出てきたんです。
前回の人事制度を定めた頃から土屋鞄の規模も変わり、現場まで浸透しきれていないことも。少人数の時には機能していたものがうまく回らなくなってきた部分がありましたね。
-
水田
- 我々の進め方の中で、現場の方に考えて頂くための課題をお出ししたりして、
いろいろと注文することが多かったと思います。
役割を超えたコミュニケーションを求めることもあったかと思いますが、
調整などで苦労したところはありましたか?
-
神原
- 確かに時間の調整が難しいなどはありましたが、全員が当事者意識をもって取り組むという理解はありましたので、前向きに取り組めました。
-
水田
- 土屋鞄さんの管理職はプレイヤーとしての動きもあり、
制度を変えることに対して負荷をかけ過ぎではないかと正直不安な部分もありましたが、
皆さん本当に前向きに取り組んでいたのが印象的でしたね。
他のクライアント様では動機付けから丁寧にやるケースも多いのですが、
土屋鞄さんに関しては、その部分は既にできていました。
それは土屋鞄さんが全体として持っている会社を良くしたいという想いの表れだったと思います。
-
神原
- 元々弊社では、部署ごとに『自分たちで考えて何とかやってみる』という文化があったので、何事に対しても当事者意識を持って動かなければいけないというスタンスはありました。
-
田中
- 制度が機能する土台があるというのは、我々もとてもやりやすかった部分です。
他社で同じように行ったとしても必ずしもうまくいくとは限りません。
ボトムアップと言うのは簡単ですが、やはり社内での圧力などもあるので、
他のクライアント様ではその部分の調整からスタートすることの方が多いです。
-
吉田
- そうですね。
社長の想いとしても、『頑張っている人がちゃんと報われる組織』にしたいというのがあったので、ちゃんと可視化された評価制度を持ちたいというのは全員一致でしたね。
-
田中
- 頑張っている人が報われる組織というのはとても素敵だと思いました。
一方で、制度変更や組織変革となると全てが変わってしまうというイメージを持たれがちなのですが、これだけは変えたくないというものはありましたか?
-
神原
- 課題であった『評価制度がわかりにくい』『キャリアプランが描きにくい』という点を改善したかったのはもちろんあるのですが、土屋鞄が元々持っていた人の良さや、自分の仕事に誇りを持てるといったところは変えたくなかったですね。
- 人が良い組織だからこそ公平で
あるべきで曖昧にしたくなかった
-
田中
- 人が良いというのはプロジェクト全体を通して伝わってきました。
土屋鞄さんの人の良さを活かしながら新しい要素をどう調整して取り込んでいくのかが、今回のプロジェクトのポイントでしたね。
人の良さを活かせなくなるのはダメですし、抽象的になって結果変わらないというのももちろんダメなので、その点はブリコルールとしても考え抜きました。
-
神原
- 簡単に言うと、ハイブリットになってきたんだと思います。
たくさんの人が入ってくるようになって多様性を感じるようになりました。
だから、人の良さを活かしつつ、ある程度具体的な指針が必要なタイミングでした。
-
水田
- 具体的な指針を示す上で、やはり経営サイドと現場サイドの意見のすり合わせが大事ですね。
以前は人を想ってやったことが評価制度上ではなかなか報われないということもありましたよね。それだと、土屋鞄さんの『人を想って行動する』という良さをつぶしてしまいかねないという課題が顕在化し始めるところでしたね。
-
神原
- そうなんです。
様々な制度を作ってきた中で見えなくなってきたものが増えていたんです。評価制度も含めて、縦と横のコミュニケーションが円滑にできないケースも増えていました。
-
水田
- 管理職研修の場で、現場のメンバーの目標を考えてくださいというお題を出したのですが、本当にメンバーのことを想って発表していました。
神原さんがおっしゃる通り土屋鞄さんとしての良いところがとてもあるのに、成長の過程で歯車がうまくかみ合わない部分が出てきていたということですね。
-
中村
- 今回のプロジェクトで個人的に大きく変わったなと感じる部分があって。
実は、進めている過程で決定したことが覆りそうになったタイミングが何度かあったんです。
今まで他のプロジェクトでも最終段階で覆えるケースがあったんですが、今回は本当に会社を良くしたいという想いで経営陣にもちゃんと意見を言えるようになって、私自身の変化を感じました。
-
田中
- 確かに途中からプロジェクトメンバー皆さんの表情が変わったように思います。当事者意識の高まりを強く感じました。
そのようになったのもプロジェクトを通じて会社が良くなっているという実感を持てたからという部分も大きいのではないでしょうか?
-
神原
- そうですね。
個人の業務範囲だけではなく、会社を良くするためにみんなで考えて行動に移せたプロセス自体が私達自身の大きな自信になりましたね。
-
水田
- ミーティングを重ねるごとに神原さんの質問が増えていきましたよね(笑)。
-
神原
- 土屋鞄としても初めての取り組みだったので、何が何でも成功させたい気持ちでした。
-
中村
- 私は会社全体でこのプロジェクトを進められたことに大きな意義を感じています。
今まではどうしても現場の話は現場だけ、経営の話は経営陣だけ、というように全体の取り組みとして当事者意識を持ちにくい部分もあったのですが、今回は全員が可視化された制度の上で常に前向きなコミュニケーションが取れるようになったんです。
-
田中
- 縦のコミュニケーションが制度というツールを通じて円滑にできるようになったということですね。やはり、このような制度改革は運用する人が納得できて、どれだけ強い想いを持っているのかが大事ですね。
今回のプロジェクトに関して、皆様が強い信念を持ってくれて嬉しかったです。
- 制度ができたことがゴールではない
-
吉田
- 後は我々がこの制度を自分たちでどう運用していくかが重要です。
制度ができたことに満足してほったらかしにしてしまったら、すぐ負の遺産になってしまう。
今回のプロジェクトを通じて、全社レベルで考えて自分たちで実行することに対する自信を持てたので、例外的な壁が現れてもある程度は自分たちで乗り越えられると思います。
-
水田
- 吉田さんのおっしゃる通り、今はスタート地点に立ったところなんです。
これから自走して成長の過程にある壁をどう乗り越えていくかを
全員で考えて行動に移すことが一番大切です。
-
神原
- ブリコルールさんは決して強制的な進め方はしませんでしたし、
常に自分たちで考える機会を与えてくださったおかげで、
その部分に関しては大丈夫だと思います。
うまく私たちをリードしてくださったから、長丁場のプロジェクトでも挫折せずに全員が満足できる制度ができたと思っています。
本当にありがとうございました。