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  • 2016.11.16

    埃を被ったモラールサーベイ(従業員意識調査)に日の目を!

    水田道男

    早いもので今年ももう11月の半ば。そろそろ、この1年を振り返ることが多くなる時期である(私自身は、振り返らずに「忘年」会へと逃げ込むケースが増えているような気もするが・・・)。
    私たちが取扱っている組織・人事の分野では、実はこの振り返り=効果検証に難儀することが多い。研修一つとっても、カークパトリックの4段階評価モデルを持ち出すまでもなく、効果検証できていると十分に胸を張れるケースは少ないように思う。

    そのような中で、多くの企業で比較的長期間ある一定の頻度で行われているモラールサーベイ(従業員意識調査・満足度調査)は、組織・人事施策を振り返る有効な手段になり得るものと私たちは考えている。

    ここでのポイントは、有効な手段に「なっている」ではなく、「なり得る」というところだ。この手のサーベイに関しては、
    「あ、結果どうなっているのでしょうね?きっちりフィードバックされたことがないので。」
    「アクションプランは立てていますが、文字通り立てただけで・・」
    「結果の点数だけが一人歩きして、効果検証ではなく考課になっています」
    等あまり良くない印象を持ったコメントを耳にすることが残念ながら多い。つまり、サーベイ自体は定期的に行われているものの、それが特に現場目線で見た時に有効に活かされていない状況になっているのだと思う。

    私たちは、パッケージを持たないことをモットーにしていると何度も言って来た。故に、意識・満足度調査系の汎用サーベイも自社では持たない。その一方で、クライアントが独自で行っているサーベイを使ってそれを職場単位で読み解きながら、自分達の職場の組織状態について対話するワークショップの企画やファシリテーションを行うことは数多くさせて頂いている。

    その経験から得た「なり得る」を「なっている」へと架橋する職場でのサーベイフィードバックワークショップの企画のポイントを、「オーナーシップ」というコンセプトに編集し2回に分けて書いてみたいと思う。
    今回は、サーベイ結果への「オーナーシップ」(次回は、アクションプランへの「オーナーシップ」)を高めるポイントを整理する。

    一つ目のポイントは、サーベイ結果のフィードバックの前に自組織での活動や取組をじっくりと振り返って頂くこと。具体的な事実や認識している変化、周囲からの見え方・評価、上手く行ったこと・上手く行かなかったことからの学びなどを丁寧に対話する。そうすると、いくつかのサーベイ項目の結果が気になるようになってくる。サーベイ結果が単なる数字ではなく、意味のある情報へと変化して行くのだ。結果を受動的に受け取るのではなく、能動的に読み解く姿勢を創るという意味でのオーナーシップだ。

    二つ目のポイントは、自組織あるいは自分達で影響を与えられるサーベイ項目を中心にフィードバックすること。自分達で影響を与えられない調査項目は、格好のスケープゴートに堕する可能性が高い。つまり、他責的な言動がその場で誘発され易くなる。フィードバック項目を絞ることで、サーベイ結果そのものが自分ごと化されるという意味でのオーナーシップだ。

    そして三つ目のポイントは、絞ったサーベイ項目を更に編集して、「要するに」が分かるようにすること。サーベイの企画側(多くは人事部や経営企画部、あるいは労働組合)と一般職場では、サーベイ結果を読み解く際のリテラシーが当然に違う。何十とある設問項目と結果数値の羅列だけでは、現場はそれを解釈仕切れない。結果、一つ一つの項目と総合的な平均点の上がり下がりに一喜一憂して終わる。

    そこで、相関や因果関係によって項目を構造化したり、組織論やマネジメント論をサーベイ項目の下絵に置くことで項目間のつながりを前景化したりすることでサーベイ結果が職場の共通言語としてフレーズ化される。例えば、三隅二不二氏のPM理論を下敷きにすると「私たち管理職は思ったよりP型偏重ということだね。」、鈴木竜太氏の関わり合う職場のマネジメント論を下敷きにすると、「自律行動はできているけど、協同行動が出来てないね。イノベーションの鍵はここにあるかもね。」、といった具合である。サーベイ結果を一手間かけて自分たちの言葉で料理するという意味でのオーナーシップである。

    以上三つが、サーベイ結果へのオーナーシップ醸成のポイントだと感じている。やらされ感ではなく、意思を持ってサーベイの結果に向き合う。これが出来れば、忘年会のお酒も一層美味しくなるはずである。次回はアクションプランへのオーナーシップというテーマで更にワークショップ企画のポイントを整理してみたい。

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