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  • 2017.03.20

    新人受入れは職場開発の千載一遇のチャンス!

    水田道男

    もうすぐ春である。目黒川沿いにオフィスを構える私たちにとっては、桜の開花が待ち遠しい季節である。
    そして4月は企業にとっては待ちに待った新人の受入れの時期でもある。
    おじさん・おばさんの集合体でパッケージ商品を持たないブリコルールに、新人研修のご相談を頂くことはさすがに無い(あ、別に拒絶している訳ではないので、ご相談があればもちろん考えます!)。よって、会社としての「新人かくあるべし」というメッセージも特段持ち合わせていない。

    その一方で、職場開発屋である私たちという視座から見ると、この新人の受入れという一連のプロセスは、またとない機会になりうる可能性を持っているように思う。

     

    職場を人の集まりではなく関係性の束と見るならば、5人の職場に1人の新人が加わると互いの関係をつなぐ線は、10本から15本へと増加することになる。「新人をどう受入れるか?」と見るよりも「新たに出来る6人の職場をどのように開発して行くか?」という視点で物事を考えた方が、豊かな発想やアプローチが生まれるのではないだろうか。

    例えば、メンター制度をメンター=新人の閉鎖系で考えるのを止める。メンターは、新人と他の職場メンバーをつなぐハブ機能として役割を設定する。つまり、新人の困りごとを解決するに相応しいメンバーと新人をつなぐ役割を担うようにするのである。メンターが何でも抱え込むのではなく、職場(場合によっては他部署)の各メンバーに粘着する情報を流通させる役割を果たせれば、職場の関係性を開発する有効な施策になるはずである。ハーバード大学のダニエル・ウェグナ―氏が言うところの組織のトランザクティブメモリーの活性化である。

    例えば、先輩社員のジョブをそのまま引き継ぐことを禁止する。ジョブを出す側の職場メンバーには、自身のジョブを再構築することを課す。再構築とは、そのジョブの意義や目的を改めて問い直し、ジョブの在り方そのものを作り直すということである。経験学習の研究で有名な北海道大学の松尾睦氏が言うところのジョブクラフティングである。自身のジョブに関する内省の機会として新人への引継ぎを捉え直すことで、職場全体での経験学習の質が向上すると思われる。

    例えば、会社の理念の活用や人事制度の運用における現場対応という美名にくるまれた惰性的状況に歯止めをかける。新人はある意味で理想的な仕事観を抱いている。あるべき制度の運用状態をインプットされている。それを理想論として社会化の対象としてしまうのではなく、ピーター・センゲ氏らが言う職場にとってのクリエイティブテンションとして活用するということである。新人の受入れを機に、敢えて会社の理念を職場に取り込んでみる。あるいは職場のビジョンや価値観を改めて対話してみる。制度の運用を目的まで遡ってもう一度見直してみる。
    新人が語る理想論を、エモーショナルテンションとして対処してしまうのは、非常にもったいない。

     

    このように、様々な例えばが浮かんで来るのではないだろうか。
    「新人が来て大変だ」と思うのか「丁度よかったこのタイミングで」と思うのか。
    職場開発のレバレッジポイントとして、新人の受入れを考えてみて頂きたい。

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