7月のHarvard Business Reviewのタイトルは、『組織の本音』。うーん、うれしい。このテーマを取り扱ってくれてありがとう、HBR!
「大多数の企業は、望ましい組織文化を築く上で、感情がいかに重要か気付いていない」とシーガル・バーセイド教授は言う。
確かに、「感情はノイズ」「仕事に感情は持ち込まない」と断言するマネジャーはいる。(家庭に仕事は持ち込まない的な線引き?)
そんなマネジャーのみなさまへ。
組織文化には、認知的文化と情緒的文化の二層がある。
主に言語チャネルで築かれる「認知的文化」が、一般的に組織文化と言われるもの。
言語化された理念や行動指針、語られる成果目標がこれにあたり、構成するメンバーの考え方、ひいては行動を規定していく。
私たちがビジョンマネジメントとしてサービス提供しているのは、この認知的文化を構築するサポートが主だ。これ、組織をうまくいかせるために、とても重要。
一方、取り扱われることが稀なのは、感じ方を規定する「情緒的文化」。
表情や身振り手振りで表れ、職場でどんな感情を示すか、抑えた方が無難な感情は何かを決める。
前述のマネジャーの職場には、そのマネジャーの表情や振る舞いから、「業務時間中はあらゆる感情を出してはならない」という情緒的文化が築かれているだろう。(私はそこでは働きたくない。)
前述のバーセイド教授は10年に渡る実験を通じて、感情が仕事への熱意や創造性はもちろん、成果や品質にまで影響を与えることを実証した。
つまり職場内の感情は、マネジメントすべき対象ということだ。
感情をマネジメントする、とは、仲良しクラブを作るのとも違うし、無理なハイテンションを演出するのとも違う。
リーダーは、職場内に培いたい感情を戦略的に意図的に体現することで、情緒的文化を培うことが可能になる。
リーダーが競わせることにだけ集中し、メンバーが目も合わせず牽制し合い、必要最低限の言葉を怯えながら交わすような状態であれば、成果が上がるわけがない。
リーダーが遠慮してへりくだり、友達同士のようにあちこちでガス抜きのようなグチが交わされ、怒りや諦めに包まれた職場では、効率が上がるわけがない。
「感情やムードは、職場のような小さな単位でしか伝播しない」(バーセイド教授)から、感情マネジメントはトップだけでなく、各職場のリーダーにこそ重要な仕事と言える。
私たちBRICOLEURが開発した職場力診断サーベイは、職場における感情の表出や感情の相互作用にも着目している。
この項目群に回答する時には、ざわざわが起きる。「考えたことがない」「これって大事なの?」
まずは、取り扱い始めることが大事。
事業と組織、効率と感情、成果追求と安心感醸成。これらは二つの極にあること、じゃなく、深くつながってるから。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48137
Googleもそう言ってる。