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  • 2016.07.27

    小学生向け「伝え方のコツ」講座開催から学ぶ、学び方のコツ

    小野寺友子

    今年で3年目となる、小学生向けの夏休み講座。今年は、一昨年と同様、「伝え方のコツ」をテーマに。コンテンツは、大人向けのプレゼンテーション講座でお伝えしている内容とほぼ同じです。一昨年は、小学生の能力は未知で(自分の子にはこういうことは試さないから)、”できない”前提だったけれど、もうできることを知っているので、どんな子が来るかな、何が出るかなととても楽しみに。

    この講座の内容とここからの学びを書きたいと思います。

    講座は「なぜ今日ここに来たの?」の問いから。「お母さんに行けって言われた」「伝えることに問題がある、と言われたから」(!)「伝えることが好きで、自信があるから」など様々。

    話すと伝えるの違いを説明。話す、のは自分のため。伝える、のは相手のため。このほんの1分程度の解説だけで、「伝える、ことで相手に興味を持ってもらえる」「伝える、と相手との会話が生まれる。話すだけだと、会話にはならない」「私は話してただけだから、お母さんとうまく会話ができなかったんだ」と手が上がる。今年の小学生もすごい。

    メインのワークは、「この小学校の魅力を伝えよう」。伝える相手は、子どもが違う小学校に通っている髙橋先生。発散→分類→統合のプロセスを辿りメッセージを紡ぐ。

    公立小学校ゆえ選択の余地なくここにいる子どもたちが、自分の小学校の魅力を改めて考える経験はとても貴重。魅力?と問われ一瞬止まるが、グループ対抗ね、という一言でどんどん出てくる。ハード面の機能的価値(校舎が大きい、黒板が上下する、エレベーターがある…)とソフト面の情緒的価値(みんな仲良し、子どもがアイデアを出す…)が入り混じる。

    企業研修で入社動機を改めて思い起こすことと効果は近しいが、学校を自分で選んでいる訳ではないから、より自分を奮い立たせないと出てこない。

    次に、これらを分類する。最初の難所。抽象度を上げる思考が出来るか出来ないか、の分かれ道で、大体4年生以上はできる。単純に分類するだけじゃなく、束ねる概念でラベリングするところまで。水準の合わなそうな分類はダメだしし、やり直し。自分たちの学校自慢だから、楽しそうに何度でもやり直す。たくさんの自慢の束が出来上がる。

    なのに、そこから、統合のために、捨てる。あれもこれも言いたい、でもそれだと「話す」になっちゃうから、「伝える」ために捨てる。

    そこで子どもたちがつぶやいていたキーワードは、「うちの学校ならではってどれかな?」

    他の学校に子供が通っている先生が相手だから、気持ちを動かすために「うちならでは」が必要と自然と向く。子どもたちはきれいにまとめようとしないから、思いがこもる。同時に統合の思考が始まる。次の難所。事実を羅列してもメッセージにはならないことは言われなくても分かっている。「校舎が新しくて、揚げパンの発祥地で、多摩川の近く」じゃ、相手の気持ちは動かないから、思いを込めて伝えたいメッセージに統合していく。

    結果、出てきたのは、「自然環境に恵まれた素晴らしい小学校」「他にはない最新の設備が整った小学校」「たくさんのアイデアにあふれている小学校」…というメッセージ。それを支える理由もちゃんと3つ。みんなが違うメッセージだったのもいい。

    正解がないことに向き合い、思いを込めて知恵を出し合うことは、楽しくて、一人では得られない学びが得られることを、毎年子どもたちが教えてくれる。

    アンケートにあったコメントは、「これから他のところでもたくさん試してみたいです」。恐れずにたくさん実験してほしい!また来年~!

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