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  • 2020.07.08

    「オン」するラインを選択する。

    野元義久

    ブリコルールという船をどう舵切るか(前回予告から)

    私の会社は3密業界です。その中でも特に密度濃く・密着して関わることを売りにしてきました。そんなブリコルールはウィズコロナという逆風にどう舵を切るのか?どうやって生き残るのか。

    非常時の小手先勝負は波にのまれてしまいます。キモチが入らず足元をすくわれます。
    オンラインの“なんじゃこりゃー的コペルニクス転回”を活かして空気は読まず、たくさんの方にお話しをお願いしました。これまでオフラインだと上手く話せなかった人たちと、一つひとつ丁寧に語り始められるようになった自分に嬉しく思いながら。

    アタマとココロをぐるぐる巡らせ続けた結論は“社名回帰”。原点回帰でした。

    ブリコルール(社名)はフランス語でブリコラージュする人たちのことです。
    ブリコラージュはエンジニアリングの対の概念です。

    分析、計画、事前準備、再現性…これらを尊重して失敗しない仕組みをつくるのがエンジニアリング。賢く生きる知恵です。
    対して、起きたことに即応、手元にあるものを活かす、直観、試行錯誤…によって新しいものを創造しようという営みがブリコラージュです。より良く生きようとする智慧です。

    今回のコロナでほとんどの会社の緻密な計画・入念な準備は吹っ飛びました。吹っ飛んでから立ち上がれるかが生き残り問題です。生き残るために、そしてまた起きるだろう非常事態に対応していくために、これからの組織にはブリコラージュの力が必要になるはず。だからブリコラージュ力を高めてもらうサービスを、自分たちが範となって提供する。これが結論です。

    「社名こそが差別化ポイント。社名が舵」

    差別化ポイントがクリアになってきたらアピールしたくなってきます!(現金なものですね)
    …ということで詳しいところは夏に完成予定のウェブサイトで是非ご覧くださいm(__)m

    ブリコラージュは川下り。

    会社の生き残り方を考える中で、自分には川下りがフィットするということを思い出していました。

    登山家は「そこに山があるから登る」らしいです。フェチさが伝わる言葉ですね。
    まさに山はそこに“ただある”だけなので、こっちから一歩目を踏み出さないと登山というゲームは始まりません。斜面を登り続けるということは、目的・目標に向かってひたすら自分の腿を上げ続けているんです。尊敬します。

    ちなみに私はたったの一度だけ山登りをしました。
    奥さんに誘われて、屋久島宮之浦岳を2日かけて縦走しましたが、まったく、完全に、誰に何と言われようとも、山登りの楽しさがわかりませんでした…。
    登る時も降りる時も(正確には膝が曲がらず転がり落ちていた時も)、そして終えてからも、楽しさはわかりません。恒例の雨でガイドブックにはあったはずの絶景は観えず、ただただ苦痛でした。それこそが自分と向き合うという貴重な時間なんだぞと言われたら、そこはわかる気がします。

    山登りは孤独の中で自分に向き合う行(ぎょう)なんだろうなと思います。
    周囲とは「オフ」ラインして、自分の内面に「オン」する。

    かたや川下りは「流れに棹差す」といいますから、環境変化に応じていくゲームです。外に意識を向けています。自分の力よりはるかに大きな力に呼応して、アタマとカラダが活動します。川の流れと船体と自分の行動の相互影響です。瞬時の判断で舵を切ったら、状況は変わり、また対応していくという営みです。これはまさにブリコラージュ!?

    川下りは周囲と関わることで自分を発見し続けていく行(ぎょう)だと思うのです。
    川と「オン」ラインしています。

    山登りと川下り、どっちの生き方がピンとくるのかは人それぞれです。
    私にフィットしている生き方は川下りです。ということは、そもそもブリコラージュしてたんですよね(…偶然??社名を決めた覚えがあるから偶然ではないのかなぁ)。

    川下り派の逡巡

    実は川下り派は多いのです。カミングアウトしてくれる人はたくさんいました。
    ただ、同時に「川下り派のままでいいんですかね…」という自嘲気味なコメント(たぶん質問ではなくて承認して欲しいというニュアンス)がセットなんです。

    壮大な目標を掲げていないことが“後ろめたい”ようです。
    きっとたくさん言われてきましたからね、
    「目標を決めなさい!」
    「目標に向かって努力しなさい!」
    「よそ見しないで!ブレないで!」

    私は友達に、「どんな人でいたいの?」と訊かれて、「なんていうかさ、こう、“一本、スジの入った、まっすぐな感じ”の人だね」と答えて直後に人生初の嘲笑を浴びました…。友曰く、「えー、いっつもブレまくってるよねー、あんた!」

    …少年の心は深く傷つき、40年経った今もそのシーンは刻まれています(遠い目…)。

    「オン」するラインを選択する

    世の中ではブレない方が良いと決められています。
    「目標に向かい、覚悟をもって脇目もふらずに取り組むからこそ、大きな成果が出るんだぞ」といわれたら、「はい、私もそう思います」。そしてそんなリーダーにメンバーがついていきたくなるというのも頷けます。松井秀喜さんや大谷翔平さんは小学校の時から素晴らしい目標を立てていたそうです。大選手になり、功績が語り継がれるのはブレずにテッペンへと邁進されたからでしょう。

    でもちょっと窮屈な気もします。
    他にも面白いことや自分にフィットすることはあるかもしれない。いろんなことを経験した方が自分に対する発見も増えるのだとしたら、ブレてみるのも悪くないはず。でなければ、フーテンの寅さんはあれだけ国民に支持されなかったと思います。本人が責任とれる範囲でブレるのはそんなに悪いことじゃないと思います(まぁ寅さんは責任とってたか?…という話はありますが)。

    周囲が“ブレないでやり切りなさい”と言うのは功績を願った愛情だけでなく、「自分には迷惑かけないでよ」という牽制もあるんじゃないでしょうか。ブレられると何を信用していいのかわからなくなるし、話が変わるとそれに対応しなきゃいけなくなるので。
    人は一人で生きているわけじゃない。“自分だけで責任とれる範囲がある”というのは幻想で、やっぱりどうしたって人に迷惑をかけてしまう。…私にはたくさんの人にたくさんの迷惑をかけてきてしまった自覚があります。

    ブレることで他人に迷惑をかけることは、少なくしたい。
    それでも迷惑かけてしまったらごめんと謝るしかなくて、謝って許されない関係ならばそれはそれでそこまでのご縁と割り切るしかない。自分を責めすぎても仕方ない。

    誰と「オン」ラインしていくかも自分の選択です。
    とにかくたくさんの人とオンラインしていくことだけが正解じゃない。

    「何を目指しているのかがハッキリと言えないから、わかってもらえない…」
    だって目指すところなんて、やっていく中でちょっとずつ変わるんです。

    「いろんなことに興味があると、移り気だとかこらえ性がないと言われる…」
    だって純粋に面白そうなことがあるんです。今やってることをちょっと手を止めて、別のことをやってみたら元々のことに活きてくることがあるかもしれない。

    そんな気持ちで生きてきた川下り民族の方々、出番ですよ。
    ヨメない変化が起きるのなら、頑なな目標は生存のジャマになるかもしれないんです。
    川下り、バンザイです。

    川下りにも後悔のない判断は必要です。
    ブレる瞬間こそ、自分の直観を信じる覚悟が必要なんです。寅さんは直観使いの達人でした。

    さて、2回にわたって、壮大な自己肯定をしてみました(笑)
    お付き合い、本当にありがとうございました!

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