「イタい」組織施策が横行している。
他の会社がユニークな組織(あるいは人事)施策をして評判になっている!だから「ウチも真似て導入しよう!」=施策が猿真似。※もちろんお猿さんに対する悪意はない。お猿さんにとっては真似が芸。
自社の事業戦略・成長ステージに適さない施策は、自社の目標達成の阻害要因にしかならない。その施策は「ジャマ」なのである。このイタさがわかっていない経営者が、実は・・いる。さらにパッケージプッシュなコンサルタントがその片棒を担ぐ。
なぜ猿真似するとイタいのか?
矛盾を強いることが多いからだ。
たとえば、ガチガチなトップダウンの規律が功を奏して成果を上げている組織に、(ガチガチはそのままで)自由闊達な活動を期待し賞賛する施策をカブせてしまうと現場は混乱する=現場の板挟み。
人は筋の通ることを高速回転する疲れよりも、矛盾を強いられることの心理的な疲弊の方が大きいのではないか?経営が望まない離職は「強制」よりも「矛盾」が引き金になっているのではないか?※個人的には「清濁併せ呑む」という崇高な格言は好きだ。呑み過ぎて酔っぱらわないようにはしないといけないが。
さて、経営が自組織の特徴を把握しておけば、単純な猿真似に走らず、板挟みも回避できる。
組織の特徴とは何か?今回は組織の「文化」を診る方法を紹介する。
ホフステードモデルでは
「文化とは、あるグループを他のグループから区別する、心のプログラミング」と表現している。
そして組織文化は「働く人々の行動・ふるまい、しきたり、習慣、関係性」と定義し、「社内での人間関係」「仕事との関わり」「外部との関わり」を他の組織と比較して決定できるとしている。
残念ながら、集団の心のプログラミングは目に見えないため、共通認識を持ちにくい。経営チームやマネジメント層が自分の組織文化を語り合い、自組織に適切な施策を導入していくためには、「共通の物差しによる、手ざわり感のある見える化」をしないと始まらないということだ。
自組織を他の組織と相対化したときの特徴で表現するのがこのモデルだ。
例えば、
現在、その組織は「厳格な仕事の仕方」と「ゆるやかな仕事の仕方」のどちらに寄っているか?その度合いを他の組織と比較して初めて立体感が出てくる。
もちろん、どちらが良いではない。※ここが重要なポイント!
どちらがこれからの自分たちの事業戦略・成長ステージに適しているのか?
この問いが大切なのだ。この問いをスルーしてしまうと「イタい」施策を打ってしまいかねない。
また、よくある従業員満足度調査では、文字通りに満足しているかどうかはわかるが、自社に適した、これからの事業成果を実現する施策をデザインしていくツールにはならない。
私たちBRICOLEURは、
お客様が、自分たちが持つ力や組織に備わる資源を、試行錯誤しながら活かし、その経験から学び、知恵を生み、巡らせること。
を支援するために設立された。
ホフステードモデルは「自分たちが持つ力や組織に備わる資源」が紐解ける。
まさにBRICOLEURの事業成果を実現していく強力な武器になっていくはずである。
2016/6 野元 義久